ベンチャーの論点
少しベンチャー経営に関わる機会があるのと、ちょうど購読しているDHBRの特集がマッチしたので、そこでの感想を。
ベンチャーの成長の単位は学びである。
エリック・リースのリーン・スタートアップより。
起業家はマーケットについて分からないことだらけである。その中で事業を成功させるための成長の単位は、新しい気付きを得ていくことである、というのが本書の主張である。正しく進めることでマーケットについての知見がたまっていき、マーケットに受け入れられるサービスにたどり着くことができる、と言うわけである。
ひとつ問題なのは、では何について学べばいいのか?という点である。これがこの本では少しぼやけていると感じていた。
ベンチャーが答えるべき論点は4つ
この疑問に明確に答えたのが今回読んだ高宮慎一氏の論文である。
この論文では、起業が越えるべきマイルストーンとして4つのステージが紹介されている。これは、答えるべき論点、と同義であると感じた。よってそれらステージを、論点ベースで表現してみたのが以下である。
- 創った事業は、マーケットに受け入れられるか
- その事業は、経済的に成り立つか
- その事業は、強固なポジションを得て拡大できるか
- 企業として、持続的にビジネスを生み出せるか
なお、本論文での前提は、企業の目的は社会の公器となること、である。特に4が特徴的である。公器を目指さない場合、どうバイアウトされるかなど、論点が変わってくるだろう。
起業家は、上記論点への答えを得ることに集中することで、考えの軸をぶらさずに舵取りできるはずである。